上海Day2 (長っ)
9/11
あまり思い出すことも少なくなった昔話をします。
終始だんまりを決め込むスタイルのモルディブ旅行を終え、たちこめる悪い予感で心に影を落としながら赴任地上海へやってきた6月の蒸し暑い日。プールとジムとちょっとした日本食堂と、日式スーパーマーケットを擁する小綺麗なこの建物は北京オリンピックや上海万博を控えた、工事と埃だらけの街には浮いていた。一人で歩くと日本人は目立つしスリにもあうので、カルフールまで送り迎えするバスが運行される守られた特殊。いわゆる駐妻たちの生活には馴染めないことは性格上最初からわかっていたので、半年前に願書を出した上海戯劇学院(※)の留学生クラスに入学し友人をつくり、渡航前のコネで上海外国語大学の日本語学科で教える(いわゆるネイティブの先生)バイトもやり、中国人の小学生に家庭教師もやった。お金が欲しいわけではなく、自分にしかできないやり方でめいっぱい生活を楽しみたかったから。語学などの準備をしていたなりに上海社会に足を踏み入れ、思いの外日本人や会社の人との付き合いも楽しくこなせたけれど、家の中はというと国内出張で平日は殆どいない伴侶は家にいる週末すらもまったく喋らなくなり、心を閉ざした。
半年もすると、多動力旺盛な私に反比例するように彼は部屋に閉じこもりきりになった。顔を合わせるタイミングを見計らって声をかけてもシカト…会話はおろか、食事を家で一緒にとることは私が日本に帰るまで殆ど無かったと思う。毎日のごはん、結構美味しく作ってたのにな(※※)なるべく楽しい事を考えるようにしていたけど、いつも私は困ってたし、頑張っていたし、焦っていた。あの空気を思い出すといまだに心が重くなる。
あることがトリガーになり結局別れるのであるが、日々の生活を楽しくできない、改善を目指さないという根本的に理解できない部分はいくら生活を続けても解決策が見いだせなかったと思う。コミュニケーションを拒否されたまま別れ、無言の日々の理由はいまだにわからないけれど、結婚生活こそそれぞれの持ち味は尊重したい故、人の気持ちや行動を変えること、変わるのを待つことは本当にむつかしい。
なんてなことを思いながら2号線に乗る。この路線は空港を結び、繁華街を結ぶ もともと至便な地下鉄。周辺人民はさぞかし便利になったことでしょう。。と思いながら赴いた。
地下鉄をあがるとその向こうには、 想像をはるかにこえた発展した街があった。駅ができ、栄え、集う人々の中には私以外の日本人はいないようにみえた。
交差点の一箇所はシアターを擁する芸術センターが建ちその他三箇所にはそれぞれにイオンモール的な巨大なショッピングモールが据えられてお台場みたいな雰囲気。さらに驚いたのは対面のショッピングモールに登って向かいのマンションをじっくり観ると、マンションの内装やエアコンは既に取外されこぎれいな廃墟になっているもよう。インターネット情報によるとこの建物は取り壊して中国人向けのより高級なマンションを建てるようです。あゝ時代の変遷。私のこころもこんなふうに客観的にみれるくらいには回復していて、むしろ解体前ギリギリで見れてよかったねとすら思えた。
桂駐屯地が無くなって駅とイオンモールができた時の驚きを100にすると520くらいな感じ?などというわかる人にしかわからないウイットな例えをかつての伴侶に浴びせてみたい気もするが、二度と会わない心の安寧を取ります。
かろうじて外観を保っているが中はがらんどう。
上海にたいする心のしこりはずっと残っていて、フラッシュバックで過呼吸になりそうだし二度と来ることは無いとおもっていたけど、上海は街も人も好きだったという印象は、単につらいことの反動で上海生活を無理やり楽しんでたからなのか??と自己分析したりもしていた。しかし今回来てみるとバージョンアップした街から元気をもらう感じは昔以上で、気持ちが下がっていたあの頃の感受性こそがやっぱりどうかしてたんだと思う。
それにしても、どこに消えてしまったんだろう日本人は。久光(ドミトリーの近くの日系高級デパート)にも居ないよ。街側にたって生息してみるともはや人によっちゃ見た目も収入もさして代わりはないかそれ以上の上海人が増えていることがよくわかる。
結局何を言いたいのか良くわからなくなるのが長文の悪いところ。他の投稿同様、つど加筆修正するのがマリスタイルってことでご容赦ください。
※海南鶏飯
当時良く作っていたが誰も食べてくれないので一人で6食連続くらいで食べていた「炊飯器でできる海南鶏飯(カオマンガイ)」は上海で入手できる調味料が有効に駆使できる自信作でした。今はYouTubeにつくり方あったりしますが世界中の誰もがきっと美味しくできる優秀メニューでいまでも美味しそうな鶏肉と長い米が揃うとつくります。今いるドミトリーのキッチンでも、炊飯器があるからさっそく作ったよ。
※※上海戯劇学院
その名のとおり俳優のタマゴが通っていることに加え、煉瓦造りの建物に蔦が絡まる景色があいまっていろんな意味で目の保養になります。昔と違うのは構内に高級車がバンバン止まっていること、シアターが2つできていたこと、キャフェテリアができていたこと。アートセンターしかり、当局が芸術分野にお金をかけている匂いをバンバン感じる。